「水道管・給湯設備の凍結防止」特集
気温がー3℃を下回ると水道管や給湯管の凍結するおそれがあります。
ここで大事なことは、「凍結してから」ではなく「凍結しないようにする」ことです。
凍結してから「水が出ない」などの連絡をいただいても一気に解決できる手段はほとんどなく、最良の方法は「融けるのを待つ(自然解凍)」のが解答となります。
ですが、融けるのを待つのでは生活にも支障をきたすでしょう。ですから、凍結しないようにすることが大切になります。凍結しないようにする方法はたくさんあります。
ご一読いただき凍結防止にご協力のほどお願い申し上げます。
室温を暖める
◆部屋の温度を暖めることで室内の水栓金具や壁内の水道管の保温にもつながります。
◇エアコンは、夜間やお出かけの際も常に暖房運転のままにし、お部屋のほか台所やお風呂にも暖房の空気が行き渡るようお部屋と水回りを仕切る戸やドアを開けたままにします(お部屋にいるときは寒いので閉めて構いません)
◆電気代はかかりますが、そう寒波はありませんのでエアコン暖房を多用してください。
◇ストーブやファンヒーターは留守中の使用はぜず、在宅で使用する際は火災に注意してください。
水抜きをする
水道管が凍結するのは、水道管の中に水があるためで、あらかじめ水道管の中の水を空にしておけば凍らないという考え方からの凍結防止対策です。一般に水抜き栓は、玄関ドアの外側の地面などに水色の青い蓋の中にありますが、青い蓋も凍って開かないこともあり、水抜き栓を直接操作することは難しいと思われます。
室内に、水抜栓ハンドルがある場合
◆壁に「歯車」のようなハンドルがある場合は、外の水抜き栓につながっています。
◇ハンドル近くにある水道を開け蛇口から少し水を出してください。水抜きハンドルを時計回りに閉まる位置まで回すと蛇口の水が止まり、水抜きの状態になります。
◆夜間は、水抜きの状態のままにしておいてください。翌朝に使用を再開するときは、ハンドルを反時計回りに回すと蛇口から水が出てきますので、水が出てきたら水栓のハンドルで水を止めてください。
◇水抜きハンドルを回しても止まらなかったり、ハンドルが回らなかったりする場合は、何らかの問題が生じていますので当社までご連絡ください。
室内に、水抜き操作盤がある場合
◇台所の壁、パネルや玄関付近に水抜き栓を操作できる操作盤があるお部屋もあります。
◆室内の水道を1箇所出したまま、操作盤の状態を「通水」から「水抜き」に切り替えます。通常は「通水」でご使用ください。
◇水道の再開をする場合は、「水抜き」から「通水」に切り替えます。
水を出す(水の流れをつくる)
水は、一定温度以下で「動かない状態」が続くと凍り始めます。
そこで、水を動かして凍結することを防止します。
【手順1】(台所壁や浴室内の壁に給湯器操作盤がある場合) 操作盤(リモコン)の電源を消す
※ 操作盤(リモコン)がない場合はこの操作は省略、【手順2】へ進んでください。
◇台所の壁や浴室の壁に設置してある給湯器のリモコン(操作盤)の電源を消します。
◆給湯器のリモコンがないお部屋もあります。リモコンがない場合は次の【手順2】へお進みください。
【手順2】お湯側と水側の両方を少し開けて水を流しっぱなしにする(出す水は、鉛筆の芯程度の太さ)
◇台所の壁や浴室の壁に設置してある給湯器のリモコン(操作盤)の電源を消します。
◆水道のハンドルがお湯と水の2つあるタイプの場合、お湯側と水側を少し開けて、蛇口から鉛筆の芯の太さ程度の水が出るようにしてください。
◇水道のハンドルが一つのタイプの場合、レバーを中心に移動させ、蛇口から鉛筆の芯の太さ程度の水が出るようにしてください。
◆水を出す場所は、各給水箇所を出すのが理想です。水道量は多少増えますが、水道料金にはほとんど影響のない範囲です。
◇給湯器のリモコンがないお部屋もあります。リモコンがないお部屋の場合、お湯を出しすぎると給湯器が運転(点火)し、ガス料金が発生しますのでご注意ください。少量の水であれば、出してもガス料金は発生しません。
◆これらの考え方からすると真夜中にトイレを使うと水が動くので凍結防止につながります。
過去の凍結事例
最低気温がマイナス10度を記録。
寒さが解消した後、「浴室の水栓金具から少し水が出続けている」と連絡がありました。
これは、次のイラストにあるように水栓金具の中で熱いお湯と水をブレンドし吐水口(蛇口)から適温でお湯を供給してくれる便利なしくみの水栓内部の水(青色の着色部分)が凍結し、膨らんだなどで変形・損傷し、水が漏れ出しているものです。結果的には水栓金具の水抜きを怠ったために凍結破損したと思います。
この水栓金具にも水抜きができる仕様のものもあります。水抜きの方法は、まず止水栓をマイナスドライバーで水を止めて…など工具がない方にはややハードルが高いかもしれません。また、お部屋によろ仕様が異なりますので、ここで一様に説明することも難しいです。ですから、ひとまず温度調節メモリを「40℃」に合わせ切替ハンドルを「カラン」側にし、細く水を出したままにしてください。
また、寒さが厳しい日に換気扇を回し続けている方がいますが、それは凍結することを手助けしているようなものです。換気扇を回すことで室内の空気を排気し、寒い空気を室内に取り込んでいます。厳しい寒さの日は、外気を室内に取り込むのを避け、できるだけ室内全体を暖めるのが重要です。日中に外出するときもエアコンがある部屋と台所や浴室を仕切る戸やドアは開けたて室内全体に暖かい空気が行き渡るようにし、エアコンは暖房運転にしたままにしてください。
追焚き管の凍結防止
◇お風呂に追焚き機能がある場合、お風呂を使用したらお湯を捨てず水を貯めたままにしてください。
◆貯める水の量は、バスタブ内側にある追焚口が水で隠れる水位まで貯めてください。
◇気温が一定温度以下になるとポンプで自動循環運転をしますので、少し物音が発生しますが故障ではありません。
排水トラップの凍結防止
◇排水口には、排水管から臭いや虫などが入ってこないように水(封水)が貯まっています。これを排水トラップといいます。この封水が、厳しい寒さになると排水トラップのなかで凍ってしまい、水が流れなくなることがあります。
◆一度凍ってしまうと融かすのに苦労します。お湯をかけて融かそうとしてもなかなか融けません。むしろ、水が余計に貯まり解氷作業の邪魔をすることになります。実際に、シャワーからお湯をかけて融かそうとしてお湯が溢れてしまい階下の部屋への水漏れ引き起こした方もいらっしゃいました。
◇氷には直接お湯をかけないことをおすすめします。ぬるま湯ではなかなか融けません。熱湯をかけるとひび割れ等の原因になります。ドライヤーやストーブで室内を暖めるなどで氷が融け水が抜けてくれます。
◆事前の凍結対策としては、排水トラップへ住宅用凍結防止剤を入れておくと凍りません。ホームセンターやネットストアで購入できます。車のウォッシャー液を入れることも効果がありますが、入れ過ぎると浄化槽の浄化性能への影響がありますので注意が必要です。
普段から蛇口からポタポタと少し水が出ていたようで、排水トラップの封水が凍結してしまい排水できなくなって水が貯まっています。
あまり使用しない場所(北側)にあることもあり、凍結しやすかった状況だったと思われます。